着任以来書き続けております気ままな私の拙文ですが、タイトルを考えたとき、「校長ブログ」だとあまりに普通すぎて面白くないし、愛徳生の日常にフォーカスしているということもあってとりあえず「愛徳ライフ」としておりました。このたび学園Webページの大幅リニューアルにともない、心機一転タイトルも全面改良しようと思い立ち、一風変わった『校長語る@愛徳坂』に決定いたしました。やはり愛徳学園といえば「愛徳坂」が象徴だし、この坂の上に立っていると、幼小中高すべての愛徳生の様子はもちろん、近隣の方々との出会いや触れ合いも素晴らしいことに気づきます。あらためて私たちは様々な人とつながって生きているのだと、当たり前のことを再確認するのです。しんどい坂を一歩一歩登ってくる愛徳生の姿は70年以上変わらず続いているし、これからも続くでしょう。なんとも地道でたくましい話です。この坂はまさに人生です。
ところで、学校見学に来られた方がお帰りになる時、私はよくこの坂の上でお見送りをするのですが、来られた方のほとんどは、坂を下りながら一度こちらを振り返ります。そこで私が手を振りますと、向こうも手を振って帰っていかれるのです。「また会いましょう」という会話が聞こえてきそうな瞬間です。こういう人間的な温かみ、触れ合いというのはその場にいるものにしかわからないことですが、そのことを知っている私は、ずいぶん得をしていると思います。この坂の上に立つだけで多くの人の笑顔や優しさ―それはまさに愛―に触れることができるのですから。
ちなみに最近は、通勤・通学途中の大人や中高生、そして保護者や、たまに出会うシスターたちも、挨拶だけでなく手を振りあうことが多くなりました。愛徳坂は毎日幸せを感じることのできる不思議なパワーを持つ坂なのです。
(校長 松浦直樹)